プラットフォーム作者: ミシェルウエルベック,Michel Houellebecq,中村佳子出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2002/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 58回この商品を含むブログ (23件) を見る

  • 個人的なことは政治的なこと。ならば、個人的なことは文明的なこととも導けるし、文化的ともグローバル経済的なこととも言えるだろう。単に個人の実存についての話として読むのはたぶん面白くない。この本の舞台は遍くヨーロッパ文明でこれは主役でもある。ヨーロッパが自ら仕立て上げたシステムや自ずと備えるに到ったインターフェイスに対して責任を取るという話。
    これを読むと、なんか日本はあーなんだかなり違うがギリシャにとってのマケドニアみたいなもんかとか思える気もする。この本を読むのが日本人なら、自分に内蔵されたシステムが他人の文明の重層的な帰結であるという事、なんらかの重荷からスポイルされ責任が取れない事、日本が先進国であるという事がヨーロッパからどう見えるのか、あたりは念頭に置かないと面白く読めないかもしれない。サイードオリエンタリズムを読もうかと思ってたところなのでものすごくタイムリーで、めちゃくちゃ面白かった。また、この本の主な支持者が中流階級だというのも、それと意識しながら読むのが非常に面白かった。