CONRAD@文学フリマ

  • 今回の文学フリマで入手したコンラッドを読むまでの私は、佐々木敦について「テクノイズ・マテリアリズム」を持っていてCDのライナーを良く書いてる楽典とかにも通じてそうな人という認識だった。「ex-music」の存在は知らなかったし、風貌も堅いイメージがあった。また、http://www.faderbyheadz.com/a-Site/を見てもそもそもそういう人なのだとしか思わなかった。
  • コンラッドを読む事で、何が変わるかというと、テクノイズ→ex-musicという流れや映画→音楽→?という流れであり、サイトのテキストを変化のベクトルとして読めるということだ。それはある体系との出会いといえる。切っ掛けは文学(音楽と直接関係ない!)フリマだし、ポップから目に入ってきた場違いな「ジム・オルーク」の文字なわけだ。普通この文脈は繋がんないぞ自分の流れだと。
  • これはメディアの多様さによる機会の増大がもたらすものではあるだろう。佐々木敦は自分にとって、CDのライナーと、本屋の新刊として現れた。自分の音楽の趣味という文脈のついでに入ってきた佐々木敦という付属物は本屋の店頭で偶々見かけた新刊本に手を伸ばす事には繋がったが、佐々木敦という体系には繋がらなかった。こういった何かのついでで入ってくる知識同士は案外なかなか繋がらない場合も多いのじゃないだろうか。